Hum3D’s Space Rover 3D CompetitionのスポンサーはTPNに認定されたレンダーファームFox Renderfarmであり、98人のアーティストが参加しました。
マレーシアのコンセプトアーティスト/3DアーティストのMalchus Akash氏の作品「Leviathan Rover」は、「Best texturing」の特別賞を受賞しました。まさに良作です!制作の各段階では、細部へのこだわりなどが感じられました。テクスチャリングがしっくりきていて、シーン全体に命と信頼が吹き込まれました。また、特に構図と照明は完璧にさえ言えます。
Malchus AkashとFox Renderfarmの独占インタビューをお届けします。この素晴らしい作品のインスピレーションと制作過程について語っていただきました。
Leviathan Rover © Malchus Akash
Fox Renderfarm: Malchus、こんにちは!インタビューを受けていただき、ありがとうございます。ご自身について簡単にご紹介いただけますか?
Malchus: 招待してくださって、ありがとうございます。私はMalchus、マレーシア出身です。不安障害から回復中です。この仕事は8年間、やり続けてきました。
Fox Renderfarm: スペースローバーチャレンジの特別賞受賞、おめでとうございます!今の感想は?
Malchus: 率直に言って、何を獲得しても嬉しいと思います(笑)。真面目な話をすると、この作品を通じて、注目されるようになったことはとても感謝しています。
Fox Renderfarm: 作品「Leviathan Rover」に当たって、どんな背景があったのですか?
Malchus: この作品は、「Dune」や大型トラックのような乗り物、火星をモチーフにした映画などにインスパイアされました。
Raw Image from Maya © Malchus Akash
Fox Renderfarm: この作品の制作にどれくらいの時間を費やしましたか?
Malchus: 合間の休憩時間を除いて、トータルで1ヶ月くらいかかったでしょうか。
Fox Renderfarm: 照明でキャラクターを表現し、物語におけるイメージを高めていると思いますが、照明のデザインについて教えてください。
Malchus: 映画のような照明は、イメージに深みを与えてくれます。闇と光をもう少し加えてもよかったかもしれませんが、画像全体に夕焼けのような雰囲気を注ぐことで、人が安らげるような感じを作りたかったのです。
©Malchus Akash
Fox Renderfarm: 素晴らしい作品には素晴らしい構図ですね。どうやって作ったのですか?何かを参考にしていますか?
Malchus: 構図は、これって言うのが難しいくらい、多くのものを参考してきました。主に三分の一の法則に従って、ローバーの全体像を撮影するようにしています。左下から右上に向かって、少しずつ傾けていくことで、平面から微妙に変化するような前進感を表現しています。
©Malchus Akash
Fox Renderfarm: 制作に当たって苦労した点は何ですか?それをどのように乗り越えましたか?
Malchus: 一番難しかったのはグラウンドだと思いますが、未だに満足のいく方法が見つかっていません。この作品では多くのメッシュとテクスチャーを混ぜることで解決していますが、クローズアップの場合だと、鮮明さに欠けるかもしれませんね。複数のソフトウェアを使った初の作品だったこともあって、使い方を学ぶのに結構大変でした。それを乗り越えるのに少し時間がかかりました。.
©Malchus Akash
Fox Renderfarm: CGのキャリアに関する学歴や職歴を簡単に教えていただけませんか?
Malchus: 私はオーストラリアのQUTでアニメーションの美術学士号を取得していますが、アニメーションはうまくできません(笑)。仕事経験の方はちょっと変わっています。大学を卒業してから不安障害になったことは、自分にとって今でも大きな問題の一つです。オーストラリアに滞在したり、マレーシアに戻ったりと何度も繰り返して、かなり悩まされました。以前は発作が起きて、次の日に仕事に行けなくなったこともあったので、フリーランスとして活動することを選びました。なので、現在はフリーランスで活動を続けています。
Fox Renderfarm: 専門スキルを向上させるために、何かお勧めの学習方法はありますか?
Malchus: YouTubeをお勧めします。やりたいことをYouTubeで検索して、時間をかけて学び、やりたいことに応用するという感じです。 私は主にこの方法でした。というのも、スキルは全て技術的なものなので、今日では、無料や有料で学べるリソースが驚くほどたくさんあると思いますね。
Fox Renderfarm: その他、CG愛好家に伝えたいことはありますか?
Malchus: CGは楽しいものばかりではありません。このような画像を作るためには、多くのソフトウェアや技術、スキルを習得するための強い意志と精神力が必要なのです。私のジムでの経験で言いますと、「ノーペインノーゲイン(no pain no gain)」は、多大な意味を持っています。しかし、諦めずに取り組めば、最終的にできあがった画像からは、達成感や喜び、なぜこんなことができたんだろうという驚き、思い通りになったときの安らぎまでも味わえます。ときにはハッピーアクシデントを感じることもあるのです。最後に、もしこれをやりたいのであれば、プロとしてやりたいのか、趣味としてやりたいのか、それを最初から明確にした方がいいと思います。