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『Swing to the Moon』: ESMAがSIGGRAPH 2023 での最優秀学生作品賞への旅

Last edited on: 2024-01-17

Fox Renderfarm Interview

『Swing to the Moon』は、世界最大級のCGの祭典SIGGRAPH 2023 で観客を魅了した、息を呑むような短編アニメーション映画です。フランスの学校 ESMA の 7 人の学生によって制作されたこの並外れた卒業作品は、決意に満ちた小さな蜘蛛が、月を捕まえるためにひょんな事から大冒険が始まり……という、ほのぼのストーリーです。

業界トップのクラウドレンダリングサービスプロバイダーおよび大手レンダーファームとして、Fox Renderfarm は SIGGRAPH 2023 にも参加し、この素晴らしい作品を見てきました。 ESMAの優秀な学生たちにインタビューできることを光栄に思います。

『Swing to the Moon』の魅力に迫り、才能あふれるスウィングチームがSIGGRAPH 2023で最優秀学生作品賞を受賞するまでのクリエイティブなプロセスを紹介しよう。

Fox Renderfarm: こんにちは! インタビューを受けていただき、誠にありがとうございます！スイングチームと学校の ESMA を読者に紹介していただけますか?

スイングチーム: こんにちは！誘ってくれてありがとうございます！私たちは、フランスの学校 ESMA の 7 人の学生、マリー・ボルデソーレ（Marie Bordessoule）、アドリアナ・ブジー（Adriana Bouissié）、ナディーン・デ・ブール（Nadine De Boer）、エリザ・ドリク（Elisa Drique）、クロエ・ラーズ（Chloé Lauzu）、ヴァンサン・レブレーロ（Vincent Levrero）とソレンネ・モロー（Solenne Moreau）です。この学校には、3D アニメーションや視覚効果に関するものを含む、複数の芸術的な編成があります。最終学年に『Swing to the Moon』を作りました。

Fox Renderfarm: SIGGRAPH 2023 で最優秀学生作品賞の受賞おめでとうございます! それについてどう思いますか？

スイングチーム: ありがとうございました！ SIGGRAPHに参加し、賞を受賞するなんて、この1年でこの小さな映画がここまで成長したのを見るのは本当に信じられないことです。想像していたようなものではなかったし、世界中の人たちに見てもらえるというのは、いつも実感がわかないです。もちろん、評価されること以上に、作品をさまざまな背景を持つ多くの人たちと共有できることが嬉しく、誇りに思います！

Fox Renderfarm: 『Swing to the Moon』のインスピレーションについて教えていただけますか? どのようにしてこのアイデアを思いついたのですか？

スイングチーム: 3 年生のとき、みんなは翌年の映画に向けて短いピッチを書かなければなりませんでした。最終的に、すべてのストーリーの中から、学生と教授の両方によって 6 つのストーリーが選ばれました。エリサ・ドリケ（Elisa Drique）が最初のバージョンを書き、それから私たちはグループで協力してストーリーを改良しました。小さな虫をテーマにしたフランスのアニメーション番組、ピクサーの短編映画『パイパーとミニスキュール』にインスパイアされました。

Piper and Minuscule © Pixar Animation Studios

_{Piper and Minuscule © ピクサー・アニメーション・スタジオ}

Fox Renderfarm: この作品は多くの学生が協力して作成しました。共同作業のプロセスはどうでしたか? 各メンバーはどのような役割を担当していましたか?

スウィングチーム: 『Swing to the Moon』の制作には、7人のメンバーがシームレスに協力し合いました。それぞれの長所、得意分野、好みに応じて担当を分担しました。全員がプリプロダクション作業に参加しました。リグ/アニメーションとレンダリングに分かれました。リギングはアドリア（Adriana）、アニメーションはアドリアナ・ソレン（Adriana Solenne）とナディーヌ（Nadine）が担当しました。レンダリングに関しては、モデリング/サーフェシング/FX/ライティング/コンポジットはマリー（Marie）、エリサ（Elisa）、クロエ（Chloé）とヴァンサン（Vincent）が担当しました。また、音楽専攻の学生、ドリアン・レーマン（Dorian Lehmann）にも協力してもらい、映画の全楽曲を作曲してもらいました。

Fox Renderfarm: ストーリーにインスピレーションを与えた具体的な映画、本、芸術作品、または現実の出来事はありましたか?

スイングチーム: 特にありませんが、間接的かどうかにかかわらず、この映画のために多くのものにインスパイアされたことは確かです。ピクサーやドリームワークスの映画のように、3Dアニメーションにおける感情の見せ方の主な参考になったものがたくさんあります。

Fox Renderfarm: なぜ蜘蛛を主人公に選んだのですか? また、キャラクターデザインに影響を与えた視覚的な参考資料やインスピレーションについて教えてください。

スイングチーム: この物語は、月を捕まえようとする蜘蛛のコンセプトに基づいていました。これは非常に詩的で独創的だと思いましたので、恐怖を感じさせないように、詩に合わせて蜘蛛をかわいくすることにしました。みんなで小さな毛玉を思い浮かべましたが、最終的なデザインはブレインストーミングの結果です。

Character Pre-production © ESMA

_{キャラクター・プリプロダクション © ESMA}

Little Spider Temi Look Dev © ESMA

_{蜘蛛テミのルック © ESMA}

Fox Renderfarm: なぜ蜘蛛を主人公に選んだのですか? また、キャラクターデザインに影響を与えた視覚的な参考資料やインスピレーションについて教えてください。

Still Frames © ESMA

_{静止フレーム © ESMA}

Fox Renderfarm: 作品の雰囲気を出すために、色、素材、照明の設定をどのように使用しましたか?

スイングチーム: この映画をマクロで、常に蜘蛛のスケールで作ろうと決めました。セットではの自然を単純化したり拡大したりしながら、視覚的には現実に近づけようとしました。照明に関しては、映画全体に多様な雰囲気を強く出したかったので、最初は夜にすべてをやり遂げるのは少し難しかったです。

Pre-production © ESMA

_{プリプロダクション © ESMA}

Fox Renderfarm: この作品のパイプラインについて教えていただけますか? で、どれくらいかかりましたか？

スイングチーム: 映画の管理、レビュー、フィードバックを得るために、FtrackとMaya Pipelineを使用しました。プリプロダクションに約5か月、制作に9か月かかり、開始から完成まで1年半かかりました。

_{Making Of © ESMA}

Fox Renderfarm: 作品のビジョンを実現するために、どのようなテクノロジーやソフトウェア・ツールが重要でしたか？

スウィングチーム: すべてのモデリング、リギング、レイアウト、アニメーションに Autodesk Maya を使用しました。スカルプトには Maxon Zbrush、テクスチャリングには Adobe Substance Painter、グルーミングには Xgen を使用しました。シェーディング、ライティング、レンダリングには、Maya の Pixar の Renderman を使用しました。すべての Fx には SideFX Houdini と Blender を、コンポジットには Nuke を使用しました。また、特定の要素については写真測量も行いました。

Breakdown © ESMA